コーポレート部門をクリエイティブにするOKR設定──運用の過程で生まれる企業の“文化”とは?

第8回 特別鼎談 ゲスト:松井しのぶさん、ピョートル・フェリクス・グジバチさん【後編】

[公開日]

[語り手] 松井 しのぶ ピョートル・フェリクス・グジバチ [聞] 堀江 真弘 [取材・構成] フェリックス清香 [写] 和久田 知博 [編] 梶川 元貴(Biz/Zine編集部)

[タグ] ビジネススキル 事業開発 組織開発 OKR 目標管理

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創造的な組織のマネジメント層に求められるスキルとは?

堀江真弘氏(Resily株式会社代表取締役、以下敬称略):コーレポート部門のOKRは、決定前にリーダー陣にたたき台を見せてディスカッションをしたということや、チームをまたぐようなKRを設定することで部門全体の一枚岩を感じられるようにしていると教えていただきました。その後、各チームがコーポレート部門のOKRをブレイクダウンして各チームでOKRを設定していくと思いますが、スムーズに行えているのでしょうか。

松井しのぶ氏(株式会社ユーザベース執行役員COO、以下敬称略):やはりチームによって濃淡がありますね。OKRを導入する前に、実はメルカリさんやGoogleさんなど、他の企業さんにもお話を聞いていました。みなさんおっしゃるのは、チームごとに濃度がまったく違うし、その決め手はマネージャーの力量にあるということです。

 ちょうどフィードバックをしている最中で実感しているのですが、リーダーが新しく入ったチームでは、OKRをうまく設定できていないケースや定量化できていないケースがありました。また、状況の変化に合わせて途中で目標を設定し直す必要があるのですが、新しいリーダーはそれができていませんでした。リーダーの目標設定能力が試されていると感じますね。これもラーニングなので、一時的には仕方がないかなと思っています。

ピョートル・フェリクス・グジバチ氏(プロノイア・グループ株式会社代表取締役、以下敬称略):Googleに入社してOKRに出会ったときに、ハイパフォーマーな人ほど自分のことを振り返りながら、OKRをうまく設定できる人が多いと感じました。うまく設定できない人をその状態まで導くためには「今期はここがうまくいかなかった。来期はここに気をつけよう」と1on1でコーチングをして、ゴール設定と達成を何度も回す体験を作る必要があります。マネージャーのコーチング、ファシリテーションの力、プロジェクトマネジメントの力が問われます。

堀江:新しい時代のミドル層に必要な力だと言えそうですね。

松井:トップダウンで意思決定をするような官僚型組織だと、ミドル層に必要な力はまた違うかもしれません。Googleさんやユーザベースのような、リーダーがビジョンやミッションを掲げ、それに向かってメンバーのモチベーションを上げる、そして皆が走ることをサポートするリーダーシップのあり方の企業だと、コーチング、ファシリテーション、プロジェクトマネジメントの力がミドル層に求められるスキルでしょうね。

ピョートル:官僚型組織では、“マネジメント”は“プレイングマネジメント”を意味しますよね。上司が決めたKPIをメンバーと一緒に達成していくスタイルです。しかし、スタートアップ企業といった新しいことを創造しようとする組織では、マネージャーは目標達成のためにリソースをどのように配分すべきかを考える“ポートフォリオマネジメント”を行った方がいい。OKRを活用することによって、ポートフォリオマネジメントを身につけるようになると思います。

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