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SAPとコニカミノルタが考える、顧客起点でビジネス変革を起こす方法とは?

 顧客接点のデジタル化が当然のこととなった今、カスタマー・エクスペリエンスがビジネスの鍵を握るものとして注目を集めている。世界の企業ではどのようにカスタマー・エクスペリエンスを捉えているのだろうか。またどういった取り組み事例があるのだろうか。SAP Customer Experience 最高イノベーション責任者(CIO) ユージニオ・カッシアーノ氏と、コニカミノルタ株式会社の常務執行役でデジタルワークプレイス事業部を統括しCIOも兼務する仲川 幾夫氏に聞いた。

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[取材・構成] フェリックス清香 [写] 長谷川 梓 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] 事業開発 顧客体験 CX DX デジタル・トランスフォーメーション

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カスタマー・エクスペリエンス経営のトレンドは「CXM」

──物売りからコト売りへと多くの業界でビジネスモデルが変化する中で、日本でもカスタマー・エクスペリエンスが経営のテーマとして重視されるようになってきています。グローバルではどんなトレンドがあるのでしょうか。

SAP Customer Experience 最高イノベーション責任者(CIO)、ユージニオ・カッシアーノ氏(以下敬称略):企業をカスタマー・エクスペリエンス・リーダーとカスタマー・エクスペリエンス・ラダー(遅れている者)に分けて比較する研究や分析が数多くありますが、前者の方が後者に比べて83%も売り上げが良いという結果も出ています。

 また、かつてデジタル企業はカスタマー・エクスペリエンスを追求して旧来的な企業との戦いに勝とうとしてきました。しかし、この戦いはもはや終わりを迎えました。デジタル企業であろうがなかろうが、カスタマー・エクスペリエンスを追求して、いかにすばやく顧客にとっての価値を生み出し、イノベーションを起こし、顧客により良い価値を提供できるかという、スピードの戦いになってきているのです。

 それからCRM(顧客関係管理)という考え方は古いものとなりました。今は顧客との関係だけでなく、カスタマー・エクスペリエンス全体を管理する、CXM(Customer Experience Management)の時代です。それに伴い、CXO(Chief Experience Officer)という役職も誕生しています。

 SAPのミッションは、顧客がカスタマー・エクスペリエンス・リーダーになる手助けをすることです。なぜなら、今日ではすべての人が、小さなレストランや地下鉄、車の購入などすべてのシーンで五つ星のカスタマー・エクスペリエンスを求めているからです。

──カスタマー・エクスペリエンス・リーダー企業へと変革するためには、どうしたらいいのでしょうか。

カッシアーノ:大まかに言うと、ステップは3つに分けられます。1つめは感情面の問題です。顧客は、「私の気持ちや好みを理解してくれて、特別扱いしてくれる」と感じたいのです。そのために、顧客の声を良く聞き、理解することが必要です。2つめは、聞いた話をもとにアクションをとります。そして3つめは、アクションを最適化します。顧客からフィードバックをもらい、さまざまなフィードバックをつなぎ合わせてよりよいカスタマー・エクスペリエンスにつなげるのです。この地道な繰り返しが必要です。

 そこでSAPのビジョンも、顧客の新機能や目玉商品づくりを手伝うということから、顧客のよりよい経験作りを支援するというものに変わりました。

 また、今の大きなトレンドとしては、オムニチャネルという概念の発達もあります。オムニチャネルは、ネットショップ、実店舗などネット空間とリアルの場を両方含めたあらゆるチャネルを連携させてお客様との接点を持つ発想です。テクノロジーの進化により、データポイントも増え、顧客との接点も増えています。それによって、デジタル世界とフィジカルな世界の結びつきがますます強くなっています。

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