相手と自分の間の溝を行き来できることが「優秀な人」の証し
宇田川:僕は本の中で、「溝に橋を架ける」と表現し、あえて「溝を埋める」とは書かなかったんです。それは、お互いに完全に一致するというのはそもそも無理なことで、それでも一緒に働いていくことはできる、と考えるからなんです。
藤倉:同感です。それをエンジニアの話に置き換えると、ソフトウェアには「構造の美しさ」という指標があるんです。美しいソースコードを書ける、美しい設計ができる、というのは、ひとつのスキルです。一方で、「できるだけ早く安定的に動くシステムを提供することで、ユーザーにとっての価値を高める」ことに重きを置く人もいます。最近のアジャイル・アプローチなんかは、後者の考え方に近いです。