“介入依存症”から抜け出すための「準備」と「観察」
宇田川:この本では「観察」の重要性について書いています。多くの人は介入策ばかりを学び、「もっといい方向はないか」と探し続け、ある種の「介入依存症」みたいになっちゃってるんですよね。本当は介入の前に相手には相手のナラティヴがあるということを受け入れるという準備の段階を経て、さらに観察をしてという段階が必要です。藤倉さんが「信頼する」というのは、まさにそういうことだと思います。
藤倉:はい。特に営利組織の中では、僕は非合理なものって存在しないと思うんです。その人の立場、役割、ミッション、期待値といったものの中で、個々人における合理性というものがあるからこそ、営利組織として成立するんだと考えています。だから、何かを否定するなんて、そもそもできないんですよね。