CFOにとって大切な「倫理観」や「やり抜く力」
大矢:絶対にゆずれない線がある時は、じっくり話し合うようにしていますね。CEOがゆずれない時もありますし、CFOとして簡単に承認できない時もある。例えば大きな買収や出資、事業投資などの場合は、多角的に情報を集めて総合的にリスクや利益を考えて判断しなければなりません。また、大きな企業ほどステークホルダーに与える影響も大きくなるので、時にはあえて耳の痛いことを言う必要があります。
もちろん、コンプライアンスなど絶対にゆずってはいけない問題もありますが、一方でCFOが反対ばかりしているとやりにくくなります。リスクにも事業成長に必要な“攻めのリスク”もありますから、「これはチャレンジすべき」と思えるような材料が出れば、CEOの背中を押すのもCFOの役割だと思っています。多様な意見があるほうが企業経営は健全です。