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「起業家社会」の経営学

「起業家社会」の経営学──ドラッカー的思考から探るリーダーシップとイノベーション、マネジメントの本質

第1回

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リーダーシップは「新たな道づくり」、イノベーションは「移動手段」、マネジメントは「乗り方」

 実際に、スタートアップには、リーダーシップとイノベーションの能力があったとしても、「マネジメント」をできる人材が不足していると感じることが多々ある。ラクスル株式会社代表取締役CEOの松本恭攝氏は、事業が軌道に乗った時に直面した組織崩壊の危機についてこう語っている。

「ドラッカーはマネジメントを『組織を率いて成果を出す』ことだと言っています。その意味で言うと、当時のラクスルには組織の機能を最大化できる人がいなかったんです。若い時に起業して、チームメンバーも若い人のみだったので、マネジメントを失敗してしまい、大崩壊が起きました」(『STARTUP 優れた起業家は何を考え、どう行動したか』より)

 いわば、リーダーシップは道がない所に、新たな「道」を創り出し、人々が進みたい新しい方向を見出すためのものだ。イノベーションは、その道を進むための画期的な「乗り物/移動手段」をもたらす。そして、マネジメントは、その乗り物が効果的、円滑に進むための「乗り方」だと言えるだろう。

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藤田 勝利(フジタ カツトシ)

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