ケーススタディで理解する、株式価値を正しく把握することの重要性
ここで佐山氏は、2003年にスティール・パートナーズ・ジャパン(SPJ)がしかけた、毛織物・編み物の染色加工業大手である「ソトー」に対する敵対的買収を解説した。
当時のソトーのバランスシートは、営業資産がそれぞれ80億円、非営業資産が250億円で“ピカピカ”のバランスシートだった。営業利益が10億円でEBITDAは14億円と安定しているので、営業価値はEBITDA倍率を5倍とすると70億円、株式価値はそれに実質キャッシュの金融資産250億円を加えた320億くらいの企業だった。しかし、当時の時価総額が実に100億円と220億円も過小評価されていた。