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佐山展生氏が語る、正しい「企業価値評価」と「M&Aのあり方」──教科書には載らない、実践者による本質

登壇者:インテグラル株式会社 代表取締役パートナー 佐山展生氏

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スカイマーク再生における経営者の役割は、新しいことを実現する情熱と実行力

 M&Aの実践を黎明期から切り拓き、経営者や投資家として様々な“修羅場”を経験してきた佐山氏。新卒で帝人に入社。三井銀行(現・三井住友銀行)に中途入社後は、まだ日本では十分な資料がない中で、1987年7月より米国の資料などを参考にM&Aの契約書の標準化に取り組んできた。さらに、東京とニューヨークで数多くのM&A業務にも携わってきた。まさに日本の「ミスターM&A」とも呼ばれる存在だ。その佐山氏に寄せられた質問や要望に応える形で、様々なテーマについて語られた。

 数々のM&Aやバイアウト、事業再生のスペシャリストで、支援先企業の経営者でもある佐山氏。2015年1月に民事再生の申し立て、そして2016年3月に民事再生を終結させたスカイマークについて、その経緯が紹介された。佐山氏は「当時、スカイマークは唯一の独立系航空会社であり、就航すると他社の路線価格が下るほど第三極としての影響力が強かった。そうした社会的価値が高い企業を存続させ、約2000人の雇用を守るために支援を行った」と当時を振り返る。

 経営体制が刷新されて以来、順調に経営状態は回復し、2019年10月25日には東証上場申請を行った。しかし、2020年4月に申請取り下げることになる。その元凶となったのが新型コロナウイルス感染症の拡大による影響だ。現在は復調傾向にあるが、厳しい状況は続いているという。

 コロナ禍がなければ、以前は6割台だった「搭乗率」も8割以上まで向上させ、最下位争いをしていた「定時運航率・搭乗率」は近年3年連続で1位、「低欠航率」でも4年連続で1位を獲得している。他にもわずか1週間で企画し実行した2020年元旦に神戸から羽田に向けて飛んだ「ヴィッセルジェット」の臨時便や、コロナ禍において従業員が掲げた「大変なときに乗ってくれてありがとう」というプラカードの写真にTwitter上で「51万いいね!」が集まったことなどが紹介された。佐山氏は「プラカードは実は民事再生の申請をして以降、全国の各空港支店で5年間欠かさず工夫して提示されてきたもの。新しいことに心を込めて実践する、その積み重ねが大切だと改めて感じている」と語った。

 その原動力となっている「一人ひとりの気持ち」を喚起するために、佐山氏自身の活動を写真入りで紹介する「さやま便り」を毎週発行していることを紹介した。

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