リサーチを企画の可否の判断ではなく、アイデアの進化のために使う
NOSIGNER代表/JIDA(日本インダストリアルデザイン協会) 理事長/デザインストラテジスト/慶應義塾大学 特別招聘准教授 太刀川 英輔氏
太刀川:新商品の企画について「調査したら受容性が低かった」というのは、ひとつの自然選択圧を理解した、ということで喜ぶべきことですよね。本来はそこからもう一段、企画の面白さをとどめたまま変異ができるかの方が重要であって。創造性、あるいはイノベーションでもデザインでもアートでも、進化思考においては「人が作ったもので完璧なものはひとつもない」という前提があります。これは生物も同じで、完璧はないんです。ただ、よりもっと適応したものはあります。