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2035年シナリオプランニングによる次世代リーダー育成──変革の前提となる「起こりうる未来」とは?

第5回 ゲスト:横河電機 未来共創イニシアチブ 玉木伸之氏 大内伸子氏

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 デジタルトランスフォーメーション(DX)実務の第一線を担う担当者から、ベストプラクティスや想いを引き出して共有知化するために、「企業内DX推進コミュニティ」の参加各企業の取り組みを掘り下げていく本連載。今回は、社外との共創的ネットワーク構築を担う次世代リーダー育成活動「未来共創イニシアチブ」を通して将来の課題解決にあたる人財の養成に取り組んでいる、横河電機株式会社の玉木伸之氏と大内伸子氏に話を伺いました。聞き手は住友商事株式会社・新事業投資部 部長代理の蓮村俊彰氏です。

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「2035年シナリオプランニング」で15年後の経営人財を育成する

蓮村俊彰氏(以下、敬称略):この連載ではDXを通してイノベーションを推進する最前線の皆さんにお話を伺っています。本日は「未来共創イニシアチブ」についてお聞きしていきます。まずは取り組みの主な内容について教えてください。

玉木伸之氏(以下、敬称略):横河電機では、2021年5月に発表した長期経営構想の見直し、新中期経営計画の策定にあたり、「測る力とつなぐ力で、地球の未来に責任を果たす。」というパーパスを策定しました。弊社はこれまで多様な産業においてシステムを繋いできましたが、これからは人を繋ぎ、業界を繋ぎ、最終的には地球環境を保全するエコシステムの中で貢献していきたいという社員の想いがこのパーパスに込められています。

 弊社は現在、欧米やアジア、中東など、ほぼ全世界においてグローバルな事業を展開しています。そうした中で私自身、経営企画としてサステナビリティとの向き合い方を問われる場面も多く、短期的利益志向ではなく、長期的な価値創造がより強く求められることになると感じていました。

 そこで主力事業の事業変革推進部門からHR部門への異動を願い出て、15年後に経営の柱を担うであろう人財を若い世代から選抜し、自由に未来を思い描いてもらう取り組みを申し出ました。これがまず「Project Lotus」として実現し、20代から40代前半のメンバー26人で、2035年をゴールとした未来シナリオを作る作業を通した人財育成がスタートします。

横河電機株式会社 未来共創イニシアチブ プロジェクトリーダー 玉木伸之氏
横河電機株式会社 未来共創イニシアチブ プロジェクトリーダー 玉木伸之氏

大内伸子氏(以下、敬称略):具体的な内容としては、2035年のシナリオを描くための議論を行うにあたり、まずは課題図書や専門レポートから知見を広め、シナリオプランニングのワークショップに加えて思考の柔軟性と多様性を高めるスキルトレーニングを実施しました。その過程では、社外とのコラボレーションを重視していて、未来志向の外部のリサーチ会社やビジネスパートナーの経営者・経営幹部、未来予測の専門家など有識者との対話から多くの示唆を得ました。

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 その結果、「リジェネレーションの夜明け」、「グリーン成長のジレンマ」、「迷走と分断」、「日々是イノベーション」という、2035年に想定される4つの未来シナリオを私たちは導き出しました。縦と横のシナリオ軸が重要で、縦軸の「デジタル基盤の構築」とは、デジタル社会が著しく発展していく中で、その広がりがそれぞれの産業内に留まるのか、あるいは社会全体に広がっていくのかを示すもの。横軸の「グリーン経済のパラダイム」は、今後の産業が地球環境重視でいくのか、それとも経済重視でいくのかを示しています。

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玉木:この「Project Lotus」を経て、未来シナリオを社内外にいる未来志向のリーダーとの共創活動に活用する目的で2021年4月に発足したのが「未来共創イニシアチブ」です。

蓮村:素晴らしいですね。未来を踏まえて言えば、DXというのはX(トランスフォーメーション)のほうが重要で、D(デジタル)はあくまで手段でしかありません。御社の取り組みはまさにこのXに資するものですよね。こうした取り組みは、外部のコンサルファームなどの手を借りるケースが多いと思いますが、それを社内の若手でやったというのは一つの肝だと感じました。

玉木:そうですね。外部に頼ることで省力化できる部分があるのは事実ですが、今回のケースの場合、外から持ち込まれた知見をベースにした結論では、どうしても腹落ち感が弱くなります。そもそもこの取り組みを何のために行うかというと、会社をトランスフォームするためで、人財の育成に繋がるトレンドを深く思考し俯瞰する議論のプロセス部分はアウトソースすべきではないとの結論に至りました。

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この記事の著者

友清 哲(トモキヨ サトシ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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