グッドパッチとナレッジワークの経営者が経験した社内組織の危機と、「他社の組織を変革する」両者の想い
たのしくなるカンファレンス 〜デジタル化で新しい働き⽅を〜イベントレポート Vol.3
「組織変革」というテーマは、DXや新規事業開発など、新しいことに挑戦しようとする日本企業にとって重要な課題である。しかし、これまでの仕組みを大きく改めることは簡単ではない。今回、LayerX主催で開催された「たのしくなるカンファレンス ~デジタル化で新しい働き方を~」のDAY2・基調講演では、株式会社グッドパッチ 代表取締役社長の土屋 尚史氏と、株式会社ナレッジワーク CEOの麻野 耕司氏、そして株式会社LayerXの代表取締役 CTOの松本 勇気氏が登壇。3者は経営者として、これまで社内組織の危機や課題を乗り越え、組織変革を成し遂げてきた経験を持ち、今では独自のサービスやプロダクトを通じて、他社の組織変革を支援している。企業・組織の変革課題やポイント、これから日本中の組織をどうアップデートしていくのか、3社の経営者たちの想いが交わされた。
グッドパッチが経験した組織崩壊、その原因とは?
松本 勇気氏(以下、敬称略):グッドパッチの代表取締役社長である土屋さん、ナレッジワークのCEOである麻野さんは、経営者として自分たちの組織を変革すること、そしてサービス提供を通じて他の組織の変革を支援すること。内と外2つの視点から、組織変革に取り組んだ経験をお持ちですよね。
お二人に、まず「自社の組織変革」についてお話をお聞きします。経営をされてきた中で、やはり組織が大きな課題や壁に直面することもあったのではないかと思いますが、いかがでしょうか?
土屋 尚史氏(以下、敬称略):グッドパッチは約6年前、組織が大きく崩壊するという事態に陥ったことがあります。創業して5年ほど経ったあたりですね。
グッドパッチは元々2人で立ち上げたのですが、それが2年目の終わりになると20人くらいの組織になっていて、以降は年々30人、50人、そして100人と、急速に組織の規模が拡大していきました。私自身、これが初めての会社経営だったので、まさかこんなスピードで会社が成長するとは思っていませんでした。
その結果、メンバーが50人ほどに増えた段階になっても、「組織」と呼べるようなしっかりとした体制が会社に備わっていなかったのです。私一人が代表で、それ以外の50人がフラットな関係でした。
そこで、メンバーが50人から100人へと増えていく段階で、役員を外部から招き入れたり、メンバーの何人かを半ば強引にマネージャーに任命したりとやってみたのですが、どうしても会社・事業の成長スピードに組織・メンバーの成長がついていけず、ついに綻びが出始めたのです。
松本:何があったのでしょうか?
土屋:社内ブログにおいて、経営批判のような内容が複数回にわたり投稿されました。そこから、離職率が40%も増えるという時期が2年くらい続きます。100人いた組織のうち、およそ80人が会社を去ってしまいました。もちろん採用もずっと続けていたので、80人いなくなったままというわけではなかったのですが……。40人抜けては、また40人入る、そんな状況が2年間続いたのです。
松本:どうやって組織を変え、乗り越えたのですか?
土屋:私自身、最初はなぜこんなことになったのか分かりませんでした。ただ、何か重大な問題が組織の至るところに存在しているのだろうということだけは察していました。経営批判の社内ブログも、1回きりの投稿ではありませんでしたからね。
この問題のセンターピンはどこにあるのか、ずっと考えていました。ただ、何か一つの問題を解決しても、組織全体が良くなる未来がまったく見えなかった。そこで、問題を明らかにしようと役員・人事で集まってみると、「あの社員が悪いんじゃないか」「あの人を辞めさせたほうがいい」などといった議論がどうしても起こってしまいます。
これでは一向に解決の糸口が見えてこない。そう思っていたとき、ある答えが頭の中に浮かんだのです。
会員登録無料すると、続きをお読みいただけます
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-




