DXを可能にする環境づくり①:業務知識とデジタルスキルを伴うチーム
では、GDSはどこからその変化に着手をしたのだろうか。彼らはまず、さまざまなタイプの人が参加するチームを構築した。これまで、行政の仕事に従事していなかったようなプロダクトマネジャー、デザイナー、ユーザー・リサーチャー、コンテンツ・デザイナー、開発リーダーなど、デジタル関連の職種の人材を民間から招聘した。GDSのオフィスは政府関連の施設というよりも、スタートアップ企業のオフィスのようだった。それによって、経験豊富な公務員の知識とデジタルスキルが融合することになった。
これは非常に重要なことだ。どちらか一方だけでDXを行おうとすると、大きなトラブルに巻き込まれることになるとグリーンウェイ氏は指摘する。デジタルスキルがない公務員だけでDXを行おうとすることがトラブルを呼ぶことは想像に難くないだろう。しかし、デジタルスキルを持つ人たちだけで行政の仕事をDXしようとするのも問題があるのだ。