インセンティブは「利益」か、「道徳」か?
松村:スーパーの弁当や惣菜に値引きシールが貼られることがあると思いますが、これが10%引きなのか半額なのかで購買行動には違いが起こります。では適切な値引き率とはどの程度なのか。全国に2万店舗あると言われるスーパーでは、その判断をできる人材が圧倒的に足りていません。そこでハルモニアは、予測される需要に合わせた値引き率を指示するサービスを提供しています。今後は、アプリなどを経由してこれらの情報を近隣の住民に届け、いかに皆で食品ロスを減らせるかに取り組みたいと考えています。
野田:ちなみに、商品の品切れが発生すると顧客が困ったり、機会損失が生じることで損になるという考え方もあるように思いますが、売れ残りが減ることで本当に企業は儲かるのでしょうか。それとも企業は、環境に良いことを理由に値引きに取り組むのでしょうか。一体どのようなインセンティブで企業が食品ロス削減に取り組んでいるのか、教えていただきたいです。