「ビジネス×デザイン×テクノロジー」の知見による共創で新規事業を推進する
セッション冒頭、3社が共創に至った経緯が説明された。日本国内で数多くのショッピングモールを手がける「イオンモール」は、現在、中国、インドネシア、ベトナム、カンボジアなどにも事業を展開。近年、各地域で勃興している中間所得層の取り込み、アジア圏での事業拡大を目指している。
登壇者の一人である平田香織氏が所属するイオンモールインドネシアは、2015年に事業を開始。2021年には大型リニューアルを実施するなど、現地の市場を着実に開拓してきた。しかし、順調な成長を遂げながらも、平田氏らはいくつかの課題に頭を悩ませていたという。
「事業は着実に成長していましたが、私たちがインドネシアにおいてあるべき姿や提供すべき価値といった本質的な部分が、コロナなど不確実な状況下が続いたことで不明瞭になっていました。また、2022年6月には、新規事業部が発足していましたが、新たなビジネスの方向性を見出せずにいました」(平田氏)
さらに、平田氏は組織面でも課題を感じていたと話す。開業から数年が経過し、ナショナルスタッフが管理職に就くケースも増えてきていた。そのため今後は、組織としてのあるべき姿を日本からの駐在員だけでなくナショナルスタッフと共に定めるプロセスが必要だと感じていた。
こうしたなかで、イオンモールインドネシアはNTTデータインドネシアに共創を依頼。NTTデータインドネシアは、2年ほど前からコンサルティングによるアプローチからITビジネスにつなげるビジネスモデルで築いてきている。しかし、あるべき姿や提供価値を描き出すにはデザインアプローチも必要だと考え、「NTTデータ」と資本関係にある「フォーデジット」の参画が決定。3社による共創体制が築かれた。