「“事業会社の”データサイエンティスト」とはかくあるべきか
「データ分析は料理に似ている」と、渋谷氏は語る。“素晴らしい料理人”とは何だろうか。料理の腕前や使っている道具が良いのはもちろんだろう。しかし渋谷氏は、素晴らしい料理人は何よりも経験やアイデアにおいて優れていると話す。
料理で最も肝心なのは、どんな食材をどう調理するか考えることだ。場面や食べる人に適した食材を選び、その食材のポテンシャルを最大限引き出すための下ごしらえをする。逆に言えば、プロの料理人が下ごしらえした食材とレシピを渡せば、素人でもそれなりの料理ができる。データ分析も同じだという。解決したい課題を見つけ、それに必要なデータを集め、分析しやすい形に加工する“過程”こそが重要なのだ。