大日本印刷(以下、DNP)とUBEは、素材分析における新たな価値創出を目指し、2024年4月より合弁会社にて協業を開始することに合意した。
DNPは、UBEのグループ会社で有機、無機および高分子化合物の分析を行うUBE科学分析センター(以下、USAL)の発行株式66.625%の株式取得を通じて、UBEと共同でUSALを運営。また、UBEは33.375%の株式を引き続き保有することで、USALは両社の合弁会社となる予定だという。
DNPは、光学フィルムなどの「デジタルインターフェース関連」「半導体関連」「モビリティ・産業用高機能材関連」などを注力事業領域と定め、新製品の開発を推進。それらを支える技術の深耕や技術の掛け合わせによる新しい価値創出、知的財産の確保を目的に、開発に必要な分析・評価に強みを持ち、分析技術や機器、専門人材を有するUSALをグループ会社にするという。USALとの連携により、知的財産の面から事業ポートフォリオを強化するとしている。
UBEは、2022年4月に宇部興産からUBEへ社名変更を行い、中期経営計画においては「スペシャリティ化学の成長」と「地球環境問題への貢献」を両輪とする持続的成長を打ち出し、事業構造改革を推進。またスペシャリティ化学領域では、新規事業の創出に向けたマーケティング活動を通じて、顧客のニーズに応えることを主眼とした技術戦略を策定し、取り組んでいくという。
DNPとUBEは、合弁会社としてUSALを運営することを機に、UBEの素材技術やDNPの持つ加工技術などを活かした相乗効果の創出に向けた協業も検討していくとしている。