エンターテインメント業界を中心に、自動車、映像、建築などといった業界向けにデジタルコンテンツ関連ビジネスを展開するシリコンスタジオは、日野自動車に対し、デザイン評価を目的とした走行シミュレーターを開発、提供した。

　今回開発、提供した走行シミュレーターは、米Epic Games社のゲームエンジン「Unreal Engine（アンリアルエンジン）」を使用して開発されたという。仮想空間で実際の交通ルールや対向車の影響などを考慮しながら走行する自車をデザイン評価できるものだとしている。

　走行する車や建物、道路標識や信号機、横断歩道や停止線といった道路付属物など、自社開発による3Dモデルのアセットを用いて道路シーンを作成し、納品。その後、第2フェーズとして高速道路のサービスエリアを含むシーンも作成し、納品しているという。

　作成したシーンには、自動走行するための走行ルートパスと車両の挙動モデルを実装。そのため、自車と他車、および他車同士が衝突することなく物理シミュレーションによって自動走行する様子を確認できるようになっているという。

　車両の挙動モデルは、衝突回避ブレーキの発動距離、停止後のブレーキ解除およびアクセルのタイミングなど、Unreal Engineのロジックを組み合わせているという。また、車種ごとの特性に合わせて調整するなど、チューニングを繰り返すことで実現したと述べている。

　既存の多機能な交通シミュレーターよりも簡易的でありながら、時間帯による日照条件や天候変化の反映、コントローラーを使ったフリードライビングモードなども実装。これらは、同社が培ってきたゲーム開発におけるリアルタイム3DCG技術の応用で実現したものだとしている。

　同社では今後も、リアルタイム3DCG技術を活用したデジタルツインによる可視化によって、様々な産業分野でのDX推進に貢献していくと述べている。