架空のケースで理解する、企画のDIの勘所
ここからは架空のケースを用いてDI推進の方法をご紹介していきます。まずは「企画のDI」です。用いる架空ケースは、「B2B商材における、営業担当者の最適配置」です。
営業活動は、ありとあらゆる企業で行われています。B2Cもありますが、B2Bが非常に多いでしょう。一般的に「営業担当」が対応するのは、B2Bになります。もちろん、B2Cであっても、富裕層向け商材・サービスなどは、個人向け営業担当がつきますが、例外的なものと捉えてよいでしょう。むしろ、B2Cは省力化する方向にあり、ECチャネルなどへの変化が進んでいます。
B2B商材を販売するという場合には、多くの場合、継続取引を考えることになります。一度売ったら終わりということではなく、相互に信頼関係を構築していく必要があります。なお、B2B商材は、多くの場合、高額だったり、発注ロット数が大きかったりしますので、ぱっと思いついて、サクッと発注する(契約する)ということになりにくいため、初回取引の時点で信頼関係を築かねばなりません。
そのような事情に鑑みると、B2B商材における営業担当者は、
- 相手が、何が欲しいのかを見極める
- いつごろ、どのタイミングで欲しいのかを理解する
- どういうコンタクト方法・頻度・タイミングが求められているかを理解する
などを行う必要があると言えます。これらのことが、どの程度分かっているのか(最近はやりの表現で言えば、解像度が十分に高いかどうか)が、営業活動の成否を分けます。
さらに、実際に顧客にアプローチするという段階では、買いそうな顧客を見極める、ということが求められます。言い換えると「あたたまっている人」を見つけ出す必要があります。すなわち、
- 購買に至る直前に、どういうアクションが起こるか
- そのアクションの前(数週間前?数カ月前?)に、何らかの予兆はあるか
というようなことを理解しておくべきです。反対に、離脱した顧客・他社に乗り換えてしまった顧客に関しては、離脱前にどういう行動をしていたか(=離脱の予兆)を分析するのも有用です。
このような、購買予兆、離脱予兆を分析していくにあたっては、そもそもの大きな傾向として、
- 季節性の有無
- リピート需要の発生サイクル
- 地域性(ニーズの違い、タイミングの違い)
なども把握しておく必要があります。たとえば、リピート需要が3ヶ月単位で発生するのであれば、再購買も離脱も、そのタイミングに多く起きると考えられます。そのような大きな傾向を踏まえた上で、個別具体的な要因を調べに行くべきです。
また、個々の顧客に対しては、
- 商品以外のサポートニーズ(事前情報の豊富さ、アフターフォローの手厚さ)
- 顧客が求める連絡頻度(月1くらいが適切か、もっと低いか、高いか、あるいは、連絡頻度は低くて良いが顧客からの問い合わせへの即応性を求めるのか)
などの点で、明確な特徴がでてくるはずです。そうした特徴に合わせて、「どのタイミングで、どういうアタックをすべきか」を考えていくと良いでしょう。場合によっては、それぞれの顧客に関して「どういう営業担当者と相性が良いか」まで考慮に入れた方が良いケースもあります。