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人間が主役のデータインフォームド経営とは

「ゾクセイ(属性)」で分析する、企画業務におけるData-Informedの実務と考え方とは?

第4回

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 これまで3回にわたって、データインフォームド、すなわち「データ“も”用いて、論理的に考えて、合理的に判断する」という思考様式についてご紹介をしてきました。特に、前回(第3回)は、その際に重要な分析の切り口である「ゾクセイ(属性)」についてご紹介しました。今回は、より実務に近いかたちで「データインフォームド思考の在り方」「ゾクセイを用いた分析方法・思考方法」についてご紹介するべく、架空事例を用いた解説を行います。

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会議室(企画)の業務判断と現場の業務判断とは

 冒頭で申し上げた通り、データインフォームドとは「判断」を行うために、データ“も”用いるというアプローチです。「データ“を”」ではなく、「データ“も”」と表現している通り、データだけで何かを決めるのではなく、個々人が培ってきた知識や経験、ノウハウなどの主観的情報に、客観的なデータを組み合わせていく、というところがポイントです。

 つまり、データを見て気づきを得て、その気づきから物事を考え、判断しよう、というわけです。

 日常生活はさておき、仕事においてこの「判断」が行われる場面は、大きく分けると「企画(会議室)」と「現場」の2つになります。この2つの判断業務領域を、それぞれDI(データインフォームド)にするということで、私たちはそれぞれ「企画のDI」「現場のDI」と呼んでいます。

 「企画」とは、商品企画や業務設計、生産計画や在庫設計、販売計画や組織設計などの、数名~数十名程度の比較的少人数で考えて、決める場面です。

  • 自社の営業担当者500名が、どの顧客を担当し、どれくらいの訪問頻度を目指すべきか
  • 代理店経由でアプローチする顧客と、自社リソースでアプローチする顧客を、どのように峻別するか
  • 在庫を、どの物流倉庫に、どの程度配置するのか
  • 売れ残り品の割引ルールは、どのタイミングでどの程度値下げをすべきか(あるいは、しないべきか)
  • 人員・組織の業績評価は、なにをKPIとして、どのタイミングで評価すべきか。給与等にはどう反映すべきか

 こうした「判断」は、主に会議室において侃々諤々の議論を経て決定されていきます。その回数や頻度は決して多くはありませんが、ひとつひとつの判断が及ぼす影響は大きなものとなります。これが「企画」の判断です。企画のDIは、これらをDI化します。

 一方、「現場」とは、営業現場や販売現場、工事現場や製作・製造現場などの、非常にたくさんの人が、ひとりひとりの判断に基づいて仕事を推進している場所・場面です。

  • 百貨店の販売員が、目の前のお客さんに何をおすすめするかを決める
  • タクシーの運転手が、どのルートを通って目的地を目指すのかを決める
  • 家電の訪問修理担当者が、毎朝、どのくらいの在庫を車に積んでおくかを決める
  • コンビニの店長が、どの商品をいくつ発注するのかを決める

 こうした「判断」を、たくさんの人が、自律的・自立的に決めるという場面は、毎日、いたるところに存在します。企画業務に比べると、非常に多くの人が関与し、非常に高い頻度で判断が行われることになります。ひとつひとつの判断の影響範囲は限定的ですが、組織全体で見ると判断回数が非常に多いため、全体としての影響はとても大きなものになります。これが「現場」の判断です。現場のDIは、これをDI化します。

「企画のDI」と「現場のDI」
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この記事の著者

田中 耕比古(タナカ タガヒコ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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