インフキュリオンがXardと描くエンベデッド・ファイナンスの未来
Xardは柔軟なカスタマイズ性とAPIによるスムーズな導入が強みで、BtoB、BtoCを問わず多様なニーズに対応できる。
吉中氏は、Xardのサービス開発において「共通化」と「汎用性」を重視していると説明する。そのことで特定顧客への過剰なカスタマイズを避けつつも、標準化された基本機能に注力することで、より多くのクライアントに対応可能な仕組みを築いているのだ。あらゆるクライアントの要望に真摯に応えつつ、その要望が他社にも共通するかを常に検証する姿勢が汎用的なソリューションづくりに結びついているのだろう。
さらに、APIの設計はあくまでシンプルさを追求しているため、金融機能を初めて導入する企業でも容易に活用しやすい。こうした設計思想によって、Xardを導入した企業は試行から成果創出までを迅速に行えるようになっており、顧客体験向上や業務効率化を実現しやすい。
Xardはこれまで、中小企業を中心に法人カードのデジタル化という形でサービスを提供してきた。今後は、さらに大企業の仕入れや調達といった分野でのカード活用を広げていきたいと吉中氏は語る。欧米ではすでに法人カードが大規模調達に一般的に利用されており、日本市場でもこの動きが加速する可能性が高い。振り込みや現金対応の限界を補完する形で、より安全で柔軟なカード決済の需要が高まっていくと予想される。
BtoC領域においても、小売事業者や金融機関に向けて、決済のデジタル化をさらに進めていきたい考えだ。他にも、今後、さらなる拡大が見込まれるインフルエンサーへの「投げ銭」のような活用シーンがある。インフルエンサー市場では、視聴者(投げ銭した人)や広告主(出演依頼者)からインフルエンサー本人までの間に多くの関係者がいることが特徴。具体的には、視聴者もしくは広告主、広告代理店、メディア、インフルエンサー事務所、インフルエンサー本人といった具合だ。そのことにより、それぞれの請求対象や支払い対象による締日・精算日等の違いにより、投げ銭や出演料を本人が受け取るまで2~3ヵ月かかるのがざらにあるのだという。
現金化に時間がかかるシーンへカード機能を組み込むことで、資金フローをスムーズにできるはずだと同氏は説明する。
また、インフキュリオンは2024年9月にSMBCグループとの「資本業務提携を発表」。これまで、SMBCはBtoC領域での「Olive」の展開やマネーフォワードとの提携を進めてきたが、今後はBtoB領域へのデジタル戦略拡大を狙っている。こうした背景から、インフキュリオンと連携、協力していく計画だ。
今後の展望について吉中氏は「パートナー企業との連携をさらに深め、多様な業界のデジタル化を後押ししたい」と語り、効率的かつ柔軟なソリューションを提供することで、ビジネスをより迅速かつシームレスに動かす世界を目指すと意欲を示す。
オンライン決済や資金流動性への需要が高まる中、エンベデッド・ファイナンスは最適な手段として注目を集めてきた。インフキュリオンはこうした市場の潮流を先取りし、新領域、新ユースケースに積極的に挑戦することで、金融サービスのさらなる進化をこれからも牽引していくだろう。
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