自社ブランドのバーチャル・フィジカルカードを簡単に発行できるプラットフォーム「Xard」
インフキュリオンが展開する複数の事業の中で、今回その詳細を聞いたのがデジタルカードプラットフォームである「Xard」だ。現在、今まで以上に注目を集めているという。
クライアント企業がXardを導入する理由は主に3つ挙げられる。第一に、自社ブランドのカード発行を通じてユーザーとのエンゲージメントを強化できる点だ。第二に、カード利用に伴う収益を確保しつつ、付加価値としてポイントや特典を還元することで他社との差別化が図れる。第三に、カード利用データを活用し、顧客行動を可視化して商品やサービスの改善、あるいは新たな提案につなげられる点だ。
Xardの代表的導入例としてまず挙げられるのが、BtoB領域での経費精算系のカードだ。従来の法人カードは、1枚のカードを様々な経費や仕入等の支払に用いるケース、特に中小企業等では代表者名義のカードを1枚だけ保有し、備品購入や光熱費支払等、あらゆる支払に用いる、といった使い方が一般的だった。しかし、Xardではバーチャルカードを必要な枚数だけ発行でき、事業や社員だけでなく、取引先ごとにカードを分けるといった柔軟な運用が可能となる。これを経費精算システムと組み合わせることで、精度が高く、迅速な経費管理が実現できる。
クラウド型経費精算システムにXardの機能を導入することで、必要な枚数のカードを即座に発行・運用できる仕組みを実現し、より高度な業務効率化に繋がっているケースもある。Xardのこれらの機能がユーザーにとって価値が高まっている背景に、各企業がAmazonやモノタロウなどのマーケットプレイスでの調達を増やしている点が挙げられる。従来の請求書払いからカード決済への移行が進み、取引リスクの低減と管理業務の簡素化に寄与している。
他にも、ネット加盟店向けのマーチャントカードの導入も事例が豊富だ。マーケットプレイスを運営している会社からの収入振り込みを待たなくても売上を受け取ることができるため、次の仕入れの元金にできるなど、キャッシュフローの改善が可能となる。
Xardの導入は拡大しており、マネーフォワードの「マネーフォワード ビジネスカード」では同社の「クラウド経費」にカードをシームレスに組み込み、決済や経費精算、仕入れといった用途に活用されている。他にも、LayerXの「バクラクビジネスカード」やSansanの「Bill Oneビジネスカード」など、多数の導入事例が登場している。