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富士通が中心でなくていい。FUJI HACKが目指す大企業連携によるイノベーション創出

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新たな課題と試行錯誤による進化

──FUJI HACKを社外に開放した後も、大きな成果を得られているようですが、課題などはありますか。

吉越:まず、イベントの参加しやすさとテーマの深掘り度合いがトレードオフの関係にあることです。大阪の1日開催では時間が足りず、「事業により近い議論がしたかった」という評価もいただきました。

殿村:幅広く門戸を開くことの難しさもあります。新規事業の未経験者からは、「事業開発プロセスの一端に触れられて良かった」との声をいただく一方で、事業開発に日々取り組んでいる、いわば「プロフェッショナル」の参加者からは、「もう少し難易度の高い取り組みをしてみたかった」という反応もありました。だからこそ毎回、テーマや運営方法をアップデートしています。

吉越:特にテーマ設定は毎回悩みます。できるだけ多くの方に身近に感じてもらえるトピックを選び、適度な粒度に調整しなければなりません。その匙加減が難しく、実は6月に川崎で開催した「地球を丸ごとDigital Twin」というテーマも、どれだけの方に響くか確信を持てないまま選びました。

 それでも結果的には多くの方に参加していただけましたし、大阪では「共創で描く未来のまちづくりワークショップ~大阪京橋・森之宮エリアをケースとした地域活性化を考える~」と地域課題の解決にフォーカスしたテーマに変えたことで、参加者の視点が6月開催のものとは変わることに気づきました。様々なテーマを掲げることの価値を改めて実感しましたね。

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 これも、開催頻度を高めて「とりあえずやってみる」という試行錯誤ができるようになったおかげです。年1回の開催であれば、“遊び”のない無難なテーマに落ち着きがちだったはずですから。

殿村:最近はさらに欲が出て、様々なテーマで新規の参加者を増やしつつ、特定のテーマを深掘りする回もできないかと模索しています。

“手弁当”でも円滑に進む共同運営のリアル

──FUJI HACKでは、複数企業が共同で企画運営に携わる難しさもあるのではないでしょうか。

吉越:全社が“手弁当”で参画してくださっているので、「できる範囲でできることを」というのが前提です。それでも、担当範囲を越えて柔軟に協力してくれる企業が多く、大変助かっています。

殿村:本当に「何でもやりますよ」というスタンスの企業ばかりなんです。毎年のように商品を提供してくださる企業もあれば、進んでメンターとして各チームをサポートしてくれる企業や、私たちにはないBtoCの視点でフィードバックをくれる企業もあります。関係者が多い分、苦労もありますが、それ以上にメリットが大きいです。

 企画運営に携わってくださった方からも、「イベント当日のファシリテーションを経験できたことでキャリアの幅が広がった」と、ポジティブなフィードバックが届いています。

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この記事の著者

山田 奈緒美(ヤマダ ナオミ)

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