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OptQCとNTT、実用的な光量子コンピュータ実現へ連携協定を締結

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 2025年11月18日、OptQCとNTTは、実用規模の光量子コンピュータ実現を目指した連携協定を締結したと発表した。両社は、光増幅や光多重化など、従来通信分野で培った技術を量子計算へ応用し、スケーラブルで高信頼な次世代量子コンピュータの実用化を目指す。

 光量子コンピュータは、消費電力が低く、常温や常圧といった特別な環境を必要としないなど、従来の量子コンピュータと比べて実用化の観点で有利とされている。薬品開発や新材料設計、金融最適化、気候変動予測など、社会・産業の難題解決を担う技術として期待が高い。しかし、現在の量子コンピュータは少しのノイズや揺らぎで状態が乱れる脆弱性があり、この克服には誤り耐性や大規模化を両立する新技術が不可欠とされている。

 共同取り組みの対象は、光量子コンピュータに不可欠な多重化や誤り訂正技術の創出、ユースケースやアルゴリズムの開発、サプライチェーン構築、社会実装に及ぶ。両社は100万量子ビット規模のスケーラビリティと誤り耐性技術の確立を2030年までの目標に据えている。

 OptQCは、東京大学の長年にわたる基礎研究を基に設立されたスタートアップ企業であり、現在NEDOの事業を通じて1万量子ビットの光量子コンピュータ開発も進行中である。一方でNTTは、光通信領域における光増幅器や光多重化、さらに量子分野への誤り訂正応用などの基礎技術を持つ。今回の協定では、両者の強みを活かし、光技術を活用した量子計算プラットフォームの社会実装加速を目指す。

 今後5年間で、技術開発とユースケース創出、パートナー連携を推進する。開発環境構築や実証も段階的に進め、2030年には社会課題解決型アプリケーションの開発・提供を目標とする。

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