2025年11月27日、ラクスルグループの100%出資子会社であるラクスルバンクは、中小企業向け金融プラットフォーム「ラクスルバンク」の正式サービス提供を開始した。
同サービスはGMOあおぞらネット銀行と提携し、BaaS(Banking as a Service)を活用することで、最短当日の法人口座開設や低水準の振込手数料、ポイント還元や高度なセキュリティ体制などを提供する。ラクスルバンクは2025年10月29日付でGMOあおぞらネット銀行を所属銀行とする銀行代理業の許可を財務省関東財務局より取得している。

主なサービス内容は以下の通りである。
1. 法人口座開設が最短当日で完了
申し込みはパソコンやスマートフォンからオンラインで可能であり、ペーパーレスの手続きとなっている。本人確認もオンラインで完結し、条件を満たした場合は最短当日に口座開設ができる。開設後はすぐに振込・入金・残高照会・取引履歴のダウンロードなどが可能となる。ただし、口座開設にはGMOあおぞらネット銀行所定の審査が必要で、必ずしも即日開設を保証するものではない。
2. 他行宛て振込手数料は119円/件
他行宛て振込手数料は1件あたり119円(税込)と、業界水準の中でも低価格に設定されている。これは、従来の店舗型金融機関と比べて約40%以上のコスト削減につながるという。リアルタイムでの入出金や即時反映にも対応しており、システムメンテナンス時を除き24時間365日利用できる。
3. デビットカード決済で2.0%ポイント還元
ラクスルバンク発行のデビットカードは発行手数料・年会費無料。決済のたびに通常2.0%のポイントが付与される。ポイントはラクスルの印刷・広告・HP制作サービスなどで1ポイント=1円として活用可能。利用明細はアプリでリアルタイムに確認できるため、経費精算の効率化が図れる。なお、紛失等での再発行には手数料が発生する。
4. 強固なセキュリティ体制
GMOあおぞらネット銀行のFISC安全対策基準準拠システムに加え、ラクスルバンク取引時には2段階認証を導入。不正取引リスク低減や各種制限設定など、安心してB2B取引ができる仕組みを提供している。
今後は法人クレジットカード、請求書の後払い機能、ファクタリングサービス、運転資金や設備投資向け金融支援、外貨送金など、多様なサービス拡充を構想している。
ラクスルグループは金融サービスと各自グループ事業の連携により、中小企業の資金管理と経営コスト削減、利便性の向上に引き続き注力していく方針である。
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