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メンバーズ、日本企業のサーキュラーエコノミー推進状況を調査 取り組みが進んでいる企業はわずか1割

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 メンバーズは、日本企業のサーキュラーエコノミー(CE)への取り組み実態に関する調査結果を実施した。

1.サーキュラーエコノミーの取り組み状況

  • 「全社的に積極的に取り組んでいる(6.2%)」「一部の部署や、製品・サービス単位で取り組んでいる(7.2%)」を合わせると13.4%にとどまった。また、「特に取り組んでおらず、具体的な検討もしていない(36.4%)」「わからない(45.3%)」で合計81.7%。多くの企業で取り組みが進んでいない実態が明らかになった。

2.サーキュラーエコノミーの取り組み内容

  • 取り組みの1位は「資源の効率利用と投入量削減:省資源・省エネ、廃棄物発生の抑制(29.1%)」。続いて、「リサイクルしやすい製品設計(28.9%)」となった。
  • 一方で「取り入れる予定はない」で最も高かったのは、「ビジネスモデルのサービス化:PaaSやシェアリング、サブスクリプションなど(7.8%)」。
  • 取り組み内容は環境負荷低減にとどまる傾向で、ビジネスモデルの変革に踏み込むことへのハードルが高いことが推察される。

3.サーキュラーエコノミー推進の障害要因

  • 障壁要因は以下の順となった。
    • 1位「専門知識やノウハウを持つ人材の不足(24.5%)」
    • 2位「法規制や標準化の未整備、政府支援策の不足(21.4%)」
    • 3位「技術の未成熟さや技術導入コストの高さ(20.9%)」
    • 4位「サプライチェーン全体での情報連携・データ共有の難しさ(19.9%)」
  • ヒト(人材)・ルール(法規制)・カネ(コスト)・連携(サプライチェーン)といった、多岐にわたる課題が同水準で上位に挙げられた。

4.取り組み状況別の課題

  • サーキュラーエコノミーの取り組み段階別に、製品のライフサイクル全体を通して環境負荷を計測するLCA算定時の課題を見たところ、企業の取り組み段階によって直面する課題に傾向の違いが見られた。
  • 「情報収集層(現在は情報収集や導入検討の段階)」では、「算定ツールやデータベースの導入・運用コストが負担(52.6%)」「算定範囲や評価方法の決定が難しい(41.0%)」が上位となり、導入初期の進め方や費用に関する課題が中心。
  • 「先進企業層(全社的に積極的に取り組んでいる)」では、「専門知識を持つ人材が社内に不足(48.6%)」「算定ツールやデータベースの導入・運用コストが負担(44.4%)」が1、2位。続いて「サプライチェーン上の取引先からのデータ収集が困難(28.9%)」となり、他の層と比べて高い傾向になっている。
  • 取り組み初期段階では進め方などの「社内の壁」に直面し、取り組みが進むほど取引先からデータが集まらないといった「社外・連携の障壁」が大きくなることがうかがえる。

5.DPP(デジタル製品パスポート)対応状況

  • 「対応を前提に準備を進めている」は15.5%にとどまる。一方で、「情報収集や今後の対応を検討している(39.6%)」と「関連動向を注視している段階(25.7%)」を合わせると約7割となり、多くの企業が動向に関心を寄せつつも具体的な対応はこれからの段階にあることがうかがえる。
  • 海外売上比率10%未満の企業に比べ、海外売上比率10%超の企業は「対応を前提に準備を進めている」の割合が高くなる傾向が見られた。一定の海外取引がある企業ほど対応に積極的であることが示唆される。

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