JTBグループは2026年1月15日、2035年に向けた長期ビジョン「OPEN FRONTIER 2035」を策定したと発表した。このビジョンでは、「新」交流時代のフロンティア企業として人と人、人と地域、人と組織をつなぐ新たな価値創造へ挑戦する姿勢を明確にしている。
背景には、地球規模の環境変動や人口構造の変化、生成AIなどの技術進化といった社会構造の急激な変化がある。これにより「移動、情報・データ、意思決定」プロセスの刷新や社会システムの再構築が進み、交流のあり方やビジネスモデルの見直しも加速している。
JTBグループの競争力の源泉は、「交流創造Intelligence」と定義されており、洞察力(市場予測、情報収集、顧客理解)と専門性(顧客・パートナー基盤、ソリューション、現場対応力)を高度化させることで、新しい「交流」の価値を生み出す方針である。2025年8月にはツーリズム産業特化型の世界的BtoBメディア「Northstar Travel Group」(NTG)の株式を取得し、デジタル・ソーシャル領域の強化やグローバルなデータ分析ネットワーク獲得により、AI時代の産業付加価値向上を目指す。
長期ビジョン実現のため、「グローバル」「ビジネスモデル」「情報・データ」「カルチャー」の4つを変革の柱とし、持続可能な地域社会への貢献やツーリズム産業全体の未来創造に注力する。事業戦略区分としては、個人向け旅行体験の最適化(Global Tourist Solution)、法人への高付加価値ソリューションの提供(Global Business Solution)、地域への投資と価値向上(Global Area Solution)、ツーリズム関連事業者へのメディア・イベントを通じたマーケティング支援(Global Tourism Intelligence)などが挙げられている。
また、2035年に向け、成長投資と資産形成、企業価値向上、有事耐性のある財務基盤などを目標に掲げた。これにあわせて、「事業ポートフォリオ」「投資ポートフォリオ」「人財ポートフォリオ」が連動する経営資源運用を推進し、成長性と収益性の両立を目指す。
サステナビリティとしては、「心豊かなくらし」「人々をとりまく環境」「パートナーシップ」を主要テーマに設定。2035年までにサステナビリティを重視した事業パートナーとの取引比率を63%まで高める目標を立てている。地域社会支援としては、2026年4月に「みらい交流創造基金」を設立し、歴史的建造物の保護や自然環境保全、オーバーツーリズム対策など多様な支援を展開する。
今後は多様な技術・パートナーとの共創を通じ、交流価値を深化・拡大しつつ、持続可能な未来社会とツーリズム産業の成長を実現する方針である。
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