グリット(不屈の精神)の養い方
佐宗(biotope 代表取締役社長):
グリット(grit:不屈の精神、粘り強さといった意味の語)のお話をお聞きしたいと思います。グリットは、どうすれば強化できますか。
シーリグ:
私にとっては、グリットとは「餌をあげて養うもの」ですね。たとえば1冊の本を書きあげるには、かなりの粘り強さが求められます。私は印刷されて完成した本が家に届く、その光景を頭に描きます。私にとってはそれがモチベーションのもとになります。それによって、毎日机に向かって数千ワード書くぞ、という粘り強さが出てくるんです。
ある程度は性格的な傾向も影響するとしても、グリットは開発して獲得できる力です。ですが、今の若い人たちには、自分で長期的な目標を設定し、粘り強さを養う機会があまり与えられていないと感じています。
私が佐宗さんに「医学部を受けなさい」と言っても、佐宗さんにとってそれはどうでもいいことかもしれませんよね。でも、佐宗さんが将来、絶対に医学部に行くんだという目標を自分で設定したなら、その目標のためにはがんばれるはず。だから、グリットを身につけるためには「長期的目標をはっきりと持つこと」がとても大切なのです。