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ブロックチェーンの可能性と課題

ブロックチェーンの落とし穴―3つの苦手領域とビジネスチャンス

ブロックチェーンの可能性と課題:第4回

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ブロックチェーンに潜む「スケーラビリティ問題」とは?

3:スケーラビリティが低い

 スケーラビリティというのは、どれだけ大量の取引データを一度に処理できるかという問題だ。ブロックチェーンは、不特定多数のコンピュータで取引データを認証するという仕組みであり、正しいデータに対する合意形成(コンセンサス)が重要である。一つのブロックにあまりにたくさんの取引データを入れてしまうと、データの転送に時間がかかり、世界中に散らばっているノード間の合意が取れないままに多くのブロックチェーンのバージョンができてしまう。これをブロックチェーンのフォーク(分岐)と呼ぶ。フォークが多くなりすぎると、データの整合性を確認するのに支障が出たり、ブロック作成に必要な電気代などのリソースの無駄遣いとなってしまったりする。

 このような事情から、ビットコインではおよそ1つのブロックの容量を1MBに制限されている。一つの取引データが約250バイトであることから、1秒間に7取引が限界となる。イーサリアムでは同様に1秒間に10~20取引である。これと比較して、VISAは1秒間に2000取引、Paypalでも115取引とされる[2]。ブロックチェーンがグローバルな決済インフラとして広く普及するには、まだまだスケーラビリティが足りないということがわかるだろう。ちなみに、ビットコインの1ブロックあたりの平均サイズは、上限である1MBへの到達が目前である。[3]

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この記事の著者

高木 聡一郎(タカギ ソウイチロウ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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