“任せっぱなしの体質”という「内部盲点」を突破した、組織内のベテラン異端児の役割
大企業に起こりがちなことではありますが、この企業ではそれが極端なかたちで表れていました。この委託と受託の多重構造がもたらす任せっぱなしの体質という内部盲点にどう向き合ってもらうか思案していた矢先、一人の管理者と出会いました。定年間近の大ベテランで、その組織の中では異端児的な方でした。この方には、委託と受託がもたらす多重構造の無駄がずっと前から見えていて、その改善に取り組んできていました。広くて複雑な業務全体の効率を高めるためには、担当範囲内での改善だけでは効果が限定的なため、関係者にも改善を持ちかけるものの、組織全体に染み付いた行動習慣を切り崩すには及ばず、半ば諦めの境地にいたところでした。