「複雑なまま全体を捉える能力」を退化させる現在の教育
佐宗:
世界をネットワークのシステムとして見ていくという「モノの見方」にご興味を持たれたきっかけはどのようなことだったのでしょう。私も未来を見通す時に「複雑系的」なアプローチを取りますが、システムのような複雑に絡み合ったものを把握し理解してもらうのは、とても知的負荷が高く、伝えるのが難しいなと実感しているんです。
佐山:
うーん、どうでしょう。そもそも疑問なのですが、人間は複雑なものを理解できないって誰が決めたのでしょうか。人間の認知は、複雑な世界を単純化して捉えようとするものなのでしょうか。それとも、複雑なものを複雑なまま受け入れて吸収していくのでしょうか。私は、本質的には実は後者だと思うんです。