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なぜマインドフルネスやリベラルアーツが重要か──守破離で考える「美意識と違和感」

鼎談ゲスト:コーン・フェリー・ヘイグループ株式会社シニアクライアントパートナー 山口 周氏 vol.2

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 本シリーズでは、2007年の創業時から新しい経営方法を追求してきたダイヤモンドメディア株式会社の武井浩三代表取締役と、イノベーティブで協働的な組織のあり方とその実践について研究を行う宇田川元一氏(埼玉大学 准教授)が、これからの組織とそこに近づく方法について様々な方と語り合う。今回は著書、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』が話題の山口周氏を迎えた。全4回中2回目の本記事では、本質を捉えるために、リベラル・アーツや先人が作った型から学べることについての対話をお届けする。

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マインドフルネスは美意識と表裏一体の「違和感」を持つために「自分の内側にある価値基準」を掴むもの

宇田川(埼玉大学 人文社会科学研究科 准教授)
 僕は経営学の学会の中で、クリティカル・マネジメント・スタディーズ(批判的経営学研究)のほかにマネジメント・スピリチュアリティというグループに入っています。これはとてもマイナーなグループですけど、最近人数が増えているらしいんです。

 日本でも最近マインドフルネスとか瞑想が流行っていますが、全部では決して無いのですが、一部でちょっと変な方向に向かっているんじゃないかと心配しています。スピリチュアリティって、「神秘性」のように理解されていますが、本当は「精神性」の問題だと思うんです。要するに、どういう視座でものを考えるかといった話ですが、これを神秘性の問題ということにしてしまうと、瞑想やなんかを通じて結局は既存の美意識を焼き直すだけのような気がして。山口さんが本で強調されているのは、今の美意識というものを批判的に捉え直すのが大事だということですよね。

山口(コーン・フェリー・ヘイグループ株式会社シニアクライアントパートナー)
 僕も、マインドフルネスというのは一部で危険な方向に向かってしまっている可能性があると思っています。神秘というと、やっぱり外側にあるものなんですよ。一方で、精神性というのは自己の中にあるものですよね。

 マインドフルネスは、世の中のフレームに覆い隠されて発揮できていないような、自分の内にある価値観や立脚点を内省することで掴むという、一種の技術体系なんですよね。

 神秘性と言ってしまうと、何か外側にあるものから与えられるものになってしまうので、結局のところ経営の教科書から神秘に、拠り所を切り替えるだけの発想になってしまう。

 前回、武井さんのお話にあったような、「会社経営ってこうやるとうまくいく。教科書にもこう書いてある」ということに対して、「だけど、これなんかおかしくない? 俺たちがこれをやって、誰か楽しくなるんだっけ?」という違和感に気づくということが、とても大事です(第1回参照)。

宇田川
 違和感と美意識というのは、つながっているように思います。

山口
 表裏一体ですよね。先日「Soup Stock Tokyo」を運営するスマイルズの遠山さんとお話をさせていただく機会があったんですけど、彼は経営者でありながら半分アーティストです。彼は「なんでこうなっちゃうの?」ということをよく言っているんですけど、それはすごく大事な問いです。

 満員電車って嫌だけどしょうがない、変な広告看板がいっぱいあるのもしょうがない、会社に行ってストレスがあるのも、それで精神を病んでしまうのもしょうがない──、みんながそう思っている中で、「なんでこうなっちゃうの? そうであるべきじゃないでしょ」ということが感じとれるかどうか、価値基準を判断するアンテナがあるかどうかだと思うんです。

タイトル山口 周 氏(コーン・フェリー・ヘイグループ シニア・クライアント・パートナー)
1970年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ等を経て、組織開発・人材育成を専門とするコーン・フェリー・ヘイグループに参画。現在、同社のシニア・クライアント・パートナー。専門はイノベーション、組織開発、人材/リーダーシップ育成。著書に『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』『天職は寝て待て』など。神奈川県葉山町に在住。

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