PRのために作られたはずの、“矛盾だらけ”の旧約聖書が教えてくれること
山口:
僕は聖書がすごく好きなんです。あれはものすごい本ですよ。なぜかというと、内容が矛盾だらけなんです。聖書って、「神様を信じるとこんなに良いことがある」と後世に伝えるための一種のPRのための本ですよね。だったら良い話だけを入れればいいのに、旧約聖書だけ見ても、神様を疑うようなチャプターが結構入っているんです。
今は何でも演繹的にロジカルにまとまっているシステムを「良し」として、矛盾あるものはどんどん排除しちゃう。だけど世の中で一番読まれている本というのは、実は矛盾だらけで、「そのシステムで本当にいいの?」という批判がたくさん入っている。このことを、よく考えなければいけないんじゃないでしょうか。