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インダストリーX.0とは何か?

「成果型エコノミー」でのものづくり企業の選択肢──ディスラプターの脅威が増すデジタル変革の時代

第6回

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デジタルテクノロジーが可能にした既存ビジネスからの“リバンドル”と“アンバンドル”

 ほとんどの日本の伝統的なものづくり企業は、境界線のはっきりした世界に慣れている。これまで繰り返し述べてきたような社内部門間のサイロ化問題だけではなく、社外に対しても知的財産や知識・ノウハウなどは絶対に漏れないように厳密に管理されてきた。予め決められた領域の枠から出ていくような行動は、ハイリスクであり自社の価値を棄損する可能性のある行動だと当然視されてきた。

 しかし、現在、こうした「これまでの当たり前のルール」は通用せず、予測もつかない方向から攻撃者が現れ、新たなテクノロジーを使って、あっという間に市場を塗り替えられる事態が発生している。もしデジタルテクノロジーがなければ、Appleは従来の銀行システムを自社製品の決済に利用することはできなかっただろう。トヨタ自動車のサブスクリプションサービスを展開する「KINTO」がクイックに立ち上がったのも、大きな先行投資なしにそのビジネスモデルの実現を可能にするアプリケーション技術の蓄積があったからである。

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花岡 直毅(ハナオカ ナオキ)

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