“現状への違和感”をおぼえても、安易にオルタナティブに逃げない
宇田川:ミスターミニットに行かれてからの具体的なエピソードは、迫さんの著著に詳しく書かれていますね。僕が素晴らしいと思ったのは、三菱商事のような典型的な日本の大企業に違和感を覚えたとき、迫さんはそれを全否定する方向には行かなかったということです。メインストリームを否定して、小さくてもオルタナティブでやっていくというのも一つの考え方だとは思います。でも、迫さんはそうじゃなかった。マザーハウスが目指しているのは、単に途上国支援をするということではなく、ビジネスとしてサステナブルな活動をしていくということですよね。資本主義を否定するのではなくて、その中でスケールさせていくことで目的を果たそうとしている。そこがとても大事な点だと思うんです。本の中で、「新たな現実を作ることが最高の批判である」と書きましたが、まさにそれを実践されているのだなと思いました。