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戦略・デザイン・対話

withコロナ時代を見据えた組織づくり──組織の「求心力」と「遠心力」の変容とは?

ゲスト:株式会社ミミクリデザイン 安斎 勇樹氏、株式会社ドングリ ミナベ トモミ氏【後編】

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「戦略・デザイン・対話」を駆使したイノベーションの実践

──ワークショップがボトムアップの組織作りには有効であるとわかりました。戦略コンサルティングを行うドングリとしてはCCM理論にどのように関わっていくのでしょうか。

安斎 勇樹氏(株式会社ミミクリデザイン CEO/株式会社ドングリ CCO、以降敬称略):今、組織デザインと組織開発がなかなか相入れない存在のように思われています。なぜなら、組織開発に関わる人が重視する経営管理ではフレデリック・テイラーが発案した科学的管理法を基本的に使っています。科学的管理方法は、人を機械のように捉えて能率を数値で計って管理する方法なのです。

 ワークショップは1947年から日本で行われていますが、この科学的管理方法に関してもちょうど同じくらい、1940年、1950年あたりから疑問が出始めるんです。ぎちぎちに管理をして、トップダウンで指示を出し、数値的に業績を出した人に報酬を出したりする方法が業績に関連するのかを調べたら、関係ないとわかってきたんですね。数値的にはうまくいくはずなのに、社員がみんな傷ついて、エンゲージメントが下がることはよくありますから、感覚的にはわかると思います。

 その結果、組織開発に関わる人のなかからも、結果的に人と人との関係性が良い組織は業績が上がるよね、という発想が生まれ、1970年代頃から組織文化の重要性が語られるようになりました。今までは人を管理していたところから、文化を管理するという発想になったんですね。

ミナベ トモミ氏(株式会社ドングリ CEO/株式会社ミミクリデザイン COO、以降敬称略):つまり、組織デザインと組織開発の目指すゴールは同じなんです。ただ、お互いにバイアスがあったり、手法があまりにも違いすぎたりして、今まで一緒に一つのクライアントに対して協業して支援するという例はなかったと思います。それをミミクリデザインとドングリはやって、コンサル×デザイン×ファシリテーションの統合サービスを提供したいと思っているんです。

 具体的にドングリは、経営上必要な制度設計や組織構造設計、人材配置や採用、オープンイノベーションで他企業やスタートアップへの投資をどのように活用していくかなどを、社員の創造的衝動を大事にしながら考えていきたいと思っています。

ミナベトモミミナベ トモミ氏(株式会社ドングリ CEO/株式会社ミミクリデザイン COO)
早稲田大学第一文学部(現文化構想学部)卒。スタートアップベンチャーを中心に50社以上の組織構造設計や、事業立ち上げのコンサルティング、デザイン組織変革に従事。「両利き状態実現による、組織イノベーション」の実践に強みを持つ。

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