事業の継続性への投資が、プラス評価を生む仕組みづくり
大山:大企業が超長期の継承のデザインに向き合おうとする場合には、非上場化以外の方法はないのでしょうか。
菊池:企業が長期的な時間軸で経営を行う方法として、非上場化だけでなく、日々、小さなことから取り組めることがあると思っています。例えば、原材料の調達方法への変更が挙げられます。今はレアメタルの資源枯渇への懸念と値上がりが起きています。そういった資材を使っている企業が、輸入に頼らずに都市鉱山、つまり都市の廃棄物の中にあるレアメタルをリサイクルして使うことにすると、新しい資源は掘り起こされずに未来に引き継がれていきます。そのような企業は資材の世界市場価格の値上がりに左右されずに済み、かつローコストで調達できるようになります。結果的にビジネスリスクの低減と収益性の向上につながると説明できます。これはまさに今、アップル社が本格的に取り組んでることです。