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「起業家社会」の経営学

イノベーションは「知覚」からはじまる──「共通する思考」と「起業家社会の条件」とは?

第2回

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これから到来する「起業家社会」のマネジャーの条件とは

“What we need is an entrepreneurial society in which innovation and entrepreneurship are normal, steady, and continuous.”
(「必要なのは、イノベーションと起業家精神が日常的に、どこでも当たり前に、継続的に行われている『起業家社会』である」)

 ピーター・ドラッカーは、1985年に著した『Innovation and Entrepreneurship(イノベーションと起業家精神)』でこう述べた。本連載の第1回でも書いたとおり、私たちは今まさに「起業家社会」に本格的に移行しつつある。イノベーションは一部の天才の閃きや、多額の技術開発投資をもってしか実現できないものではない。「知識」という生産手段を日々携行し、場所にも時間にも制約を受けずに生産活動を行う時代を生きる私たちにとって、イノベーションは日々の仕事の中に常に組み込まれるべきテーマである。

 前回の記事で、リーダーシップ、イノベーション、マネジメントの3つの定義について書いた。その中で、イノベーションは、誰も通ったことがない道の中を進む「乗り物」を新たに創り出す機能であると述べた。言うまでもなく、いきなり「乗り物」を造り始めることはできない。「どのような新しい道を走るのか」という構想・着想からスタートしなければならない。

 私たちは普段から何気なく「イノベーション」という言葉を使っているが、果たしてその本質とは何だろう。率直に言うと、大企業はもとより、スタートアップ企業の事業プレゼンテーションを見てもこの本質部分が欠落していると感じることが多々ある。経営における「イノベーション」とは、端的に言えば、

顧客が強い購入願望を抱く、新しい価値と満足を創り出すこと。

に他ならない。その結果、

生産性が低い領域から生産性が高い領域に仕事をシフトする。

ことが可能となり、ビジネス書や記事でよく目にする「イノベーション」の事例が出来上がる。

 生産性が高い領域に仕事がシフトするとは、労力をかけても収益が上がりにくい仕事から、やればやるほどお客様も増えて収益が増える仕事に、大切な人間の労力、能力、エネルギーをシフトすることである。これを実践できるマネジャーとそうでない人では天と地ほどの差が生まれる。

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この記事の著者

藤田 勝利(フジタ カツトシ)

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