日本企業の「デジタルタレント育成」を支援したい
デジタル化やサブスクリプションモデルへの移行に可能性を感じてはいても、アドビのように大胆な転換は難しい。そんな日本企業へのアドバイスを求めると、マクリディ氏は次のように答えた。
「どんなビジネスであっても何よりも重要なこと、それはお客様の優先事項がどこにあるのかを見据えることです。アドビ自身、サブスクリプションモデルに移行する前に何年もかけてリサーチを行いました。パッケージ販売からサブスクリプションモデルに移行した場合、お客様やパートナーにどんなメリットが生まれるのかを確認していったのです。その結果、マイナス面よりもプラス面が明らかに大きいということが分かりました」
マクリディ氏の見立てでは、製造業も含むさまざまな企業の先にいる顧客は、サブスクリプションに関心を持っている。よってサブスクリプションへの移行は、より多くの顧客とより効率的につながることができる手段として非常に可能性があるという。
また、アドビは製品やサービスを通じて顧客企業の技術的な面を支援するにとどまらず、自社のDXの経験を共有することにも積極的だ。
「CEOのシャンタヌ・ナラヤンは、情熱を持って『アドビ・ストーリー』を語っています。アドビがどのようにしてパッケージ販売からサブスクリプションモデルへと移行していったのか、そのストーリーはあらゆる業種のすべてのお客様に響くストーリーだと思います。そして、『Adobe on Adobe 』と呼んでいるのですが、我々がいかに自社の商品を使っているかをお見せすることも、我々ができる最大限の支援だと考えています。我々がDDOMをどのような仕組みで実現しているのか、それに基づいてどのように意思決定をし、業務を遂行しているのかをお伝えすることができます」