A社による口座開設率の向上施策
A社は口座開設率を向上させるための施策を3つのステップで計画した。
まず、資料請求後1週間経過しても口座開設をしていないユーザーを抽出し、資料請求日から7日後の11時にメールにて「資料提出のお願い」を出す。次に、「口座開設を行っていない人」に対して、再び資料提出の流れについて解説するメールを送付する。3日後には、最初のメールを開封しているもののサイトに来訪していない人に対して、「すぐに取引できる金融商品のお知らせ」と興味を引く内容のメールを送付し、サイトへの来訪を促す。それでもメールを開封しないユーザーに対しては、SMSなども使って資料提出の依頼を行うというものだった。
しかし、設計した口座開設向上施策は、“ある理由”から実施できていなかった。その理由とは「口座開設率向上施策に必要なデータを準備できなかったため」だという。
必要なデータは「顧客ID」「氏名」「メールアドレス」に加え、「資料請求日時」「サイトアクセス日時」「資料請求日からの経過日数」「最終サイトアクセス日からの経過日数」、そして「口座開設済フラグ」の8カラム(項目)になる。
このうち「顧客ID」「氏名」「メールアドレス」「資料請求日時」「サイトアクセス日時」という5カラムのデータは社内に存在していた。ただ、それらは3つのデータベースに分けて格納されており、統合する必要があった。また、残りの「資料請求日からの経過日数」「最終サイトアクセス日からの経過日数」、そして「口座開設済フラグ」については、新たにデータ作成する必要があり、また前述の5つのカラムとも統合する必要があったのだ。