この実証実験で、車両は日産のミニバン「エルグランドVIP 2列シート」を採用。後部座席の前面に大画面(32インチ)のディスプレイを設置するなどの改装を行い、会議室に必要な機能を搭載する。Web会議用の通信回線として、ソフトバンクが提供する5Gを含むネットワークを利用し、快適な通信環境を実現。前席に会話の内容が漏れないよう、前席と後部座席の間には遮音壁を装備。秘匿性の高い会議にも安心して利用できるという。
会議終了前に目的地に到着した場合は、DNPが開発する専用のコミュニケーションツールを用いて運転手と連絡をとり、駐停車可能な場所に車両を停めて、会議が終了するまで「移動会議室」を利用することができる。なお、このコミュニケーションツール上では、ゼンリンが提供する「ZENRIN Maps API」により、現在の走行位置を住宅地図レベルまで詳細に確認することが可能となる。従来高級ワンボックスタクシー・ハイヤー事業を展開してきたクワハラが、この車両の運行サービスを提供する。
DNP・日産自動車・ゼンリン・ソフトバンク・クワハラの5社は、それぞれが持つ技術などの強みを活かし連携した本実証実験を通じて、「移動会議室」のサービスの価値と需要の検証を行い、事業化を目指すとしている。