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みんなの銀行横田頭取に聞く、国内初のデジタルバンク設立──なぜ出島で内製化と外部人材にこだわるのか?

第2回ゲスト:みんなの銀行 取締役頭取 横田 浩二氏

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 本連載では、日本企業のDX支援などに取り組む株式会社レッドジャーニーの代表であり、政府CIO補佐官なども務める市谷聡啓氏がホストとなり、各企業のDX推進のキーマンをゲストに迎えて、DX経営の課題、実行体制、人材像や評価などを明らかにしていく。第2回のゲストは「国内初のデジタルバンク」立ち上げが話題を呼ぶ株式会社みんなの銀行取締役頭取の横田浩二氏。地銀子会社でありながら先進的な施策を次々に打つ同行に金融DXのヒントを探る。

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営業経験がないまま営業部長へ。だからこそ見出した「データこそが勝ち筋」

 ふくおかフィナンシャルグループ(以下、FFG)傘下の「みんなの銀行」は2021年1月、国内初のデジタルバンクとして銀行システムの稼働を開始した[1]。銀行業の営業免許を取得したれっきとした銀行でありながら、実店舗は一切持たない。5月28日にサービス提供を開始したB2C事業は、いわゆるデジタルネイティブ世代がターゲット。口座開設からATMによる入出金、振込など全てをスマートフォン上で完結できる。

 銀行のシステム開発は完全アウトソースで行うのがこれまでの“常識”だったが、みんなの銀行では、最新のテクノロジーを活用してシステムをイチから内製。このバンキングシステムや機能自体の提供・販売も行っていくことを見据えている。さらに、みんなの銀行の金融機能・サービスをAPIを介して事業パートナーに提供することで、自らを中心としたエコシステムを作り、新たな価値を共創することへの取り組みも進めている [2][3]

現場経験のないまま若くして将軍になったシーザーに自身を重ねる

 みんなの銀行が他行に先駆けてこうした先進的な取り組みを行えている背景には、旗振り役である横田頭取の経歴が関係していそうだ。

 横田氏は1982年に福岡銀行に入行。4年間の支店勤務の後、国際部に異動し、海を渡ってニューヨーク支店の立ち上げに関わる。帰国後は人事制度の企画や中小企業や個人向け営業体制の確立、経営統合プロジェクトのプロジェクトマネジャーなどを経て、営業推進部の部長に就任した。

 銀行員は通常、入行から10年ほどは支店で営業経験を積むものという。支店営業の経験がほとんどないまま営業のトップに立った横田氏のキャリアはやや特殊と言える。

 部長就任にあたり、横田氏は塩野七生が『ローマ人の物語』で描いたローマの将軍ジュリアス・シーザーに自身を重ね合わせたそうだ。現場経験のないまま若くして将軍になったシーザーは、徹底した現状分析、現状把握に活路を見出した。自分の勝ち筋もそこにあると考えた横田氏は、データベースの整備・活用にいち早く取り掛かった。

 「データベースとデジタルには通じるところがある。この時の経験から、営業のやり方もデジタルに変えていくべきだという問題意識が芽生えた」と語る横田氏は、2015年にデジタル戦略を担う新たな部署を立ち上げる。世の中ではようやく「DX」という言葉が聞こえ始めた頃だから、かなり先駆的な動きだったと言えるだろう。


[1]株式会社みんなの銀行「株式会社みんなの銀行の事業方針について ~ 国内初のデジタルバンクが目指す 新しい銀行のカタチ ~」(株式会社みんなの銀行プレスリリース 2021.01.14)

[2]株式会社みんなの銀行「【BaaS事業】新たな価値共創に向けたピクシブ株式会社との基本合意について」(株式会社みんなの銀行プレスリリース 2021.06.21)

[3]株式会社みんなの銀行「【BaaS事業】新たな価値提供に向けたパーソルテンプスタッフ株式会社との基本合意について」(株式会社みんなの銀行プレスリリース 2021.06.23)

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この記事の著者

市谷 聡啓(イチタニ トシヒロ)

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