本体と出島を“二重に走らせる理由”
このように、既存の銀行業とみんなの銀行の新しい取り組みでは、必要な考え方もスキルセットもまったく違ってくる。経営的には、その両方を同時に抱えるのは非効率という見方もあるが、そこはどう折り合いをつけているのだろうか。
「今は非常に不確実性の高い時代です。1年先はおろか、3カ月先がどうなっているかも見通せない。そのような時代においては、やはりスピードが大切になります。二つの組織で擦り合わせるべく、足踏みをする時間がもったいない。無駄に思えるような『二重に走らせる』ことが、今は必要だと考えています」
最終的には「出島」で得たものを本体に「還流」させる必要があるが、今は新たなサービスを作ることに注力する時期であり、本体との人材交流などの取り組みは限定的なものにとどめているという。