執筆者情報
市谷 聡啓
(イチタニ トシヒロ)
株式会社レッドジャーニー 代表
サービスや事業についてのアイデア段階の構想から、コンセプトを練り上げていく仮説検証とアジャイル開発の運営について経験が厚い。プログラマーからキャリアをスタートし、SIerでのプロジェクトマネジメント、大規模インターネットサービスのプロデューサー、アジャイル開発の実践を経て、自らの会社を立ち上げる。それぞれの局面から得られた実践知で、ソフトウェアの共創に辿り着くべく越境し続けている。訳書に「リーン開発の現場」、著者に「カイゼン・ジャーニー」「正しいものを正しくつくる」がある。
■株式会社レッドジャーニーHP
執筆記事一覧
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DX経営の課題と実践
なぜ戦略と現場活動が一致しないのか──「現在指向バイアス」を超え、DXを推進するCoEとCDOの役割(第2回)
前回は、日本企業のDXの“現在地”を、方針は「絵」としては存在するものの実行に移すための運営・組織体制が確立されていない状態、言わば“一休さんの屏風のトラのようなDX”とした。そこには3つの課題があり、特に「戦略と現場活動の不一致」の問題を指摘した。今回はその不一致の背景を「組織の階層構造に基づく分断」として、組織変革推進チームとしての「CoE」、旗振り役としての「CDO」の役割などに関して解説する。
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DX経営の課題と実践
日本企業の屏風のトラDX──戦略と現場の不一致を解消する、ビジネスデザイナーとプロダクトマネージャー(第1回)
コロナ禍において日本企業のDXが進んでいると言われている。政府や経産省によるいくつかの調査資料では、日本企業のDXの現状の課題が整理されている。本連載では、プログラマーからキャリアをスタートし、SIerでのプロジェクトマネジメント、大規模インターネットサービスのプロデューサー、アジャイル開発の実践を経て、現在は日本企業のDX支援などに取り組む株式会社レッドジャーニーの代表であり、政府CIO補佐官なども務める筆者が、DX経営の課題、実行体制、人材像や評価などを解説していく。本稿では、現在の日本企業のDXへの取り組み状況と課題を、各種調査をベースに紐解き、核となるDX人材の要件に関して、概要を説明していく。