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フレームワークを活用した既存事業の見直し

フレームワークの組み合わせで洗練された戦略を考える──既存事業を見直す4つのステップとは

第2回

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フレームワークの組み合わせが戦略を洗練させる

 ビジネスフレームワークにはそれぞれの特性があります。ビジネスモデルを紐解くビジネスモデルキャンバス、顧客分析や市場環境分析、マーケティング戦略をベースにしたフレームワークなどが存在します。

 多様な特性を持ったフレームワークですが、「使えない」と評価されるケースが散見されます。その要因として、目的(求める成果)と手段(フレームワーク)が合致していないということが挙げられるのではないでしょうか。たとえば、ビジネスモデルキャンバスに時間軸の概念が入っていなかったり、複数のフレームワークの要素が内包されていたりします。

 私はこれまで、様々な企業の新規事業・事業開発担当者のお話を伺ってきたのですが、自社の現状考察(強み、弱みなどの企業の力考察)に力を入れているという声は多く耳にしました。しかし、話を掘り下げていくと、競合が誰かということに関しては意見がまとまっていなかったり、顧客理解の解像度もヒアリングする方(ex.責任者とチームメンバー)によって差があったりすることがわかりました。

 つまり、現場の声を隅々まで反映できていない方が自社分析をし、未来像を作っても、その輪郭にある競合・市場環境の分析まで十分にできておらず、結果として全社戦略と結び付けられていなかったということです。

トヨタ自動車の真の競合は?

 「大手自動車メーカーであるトヨタ自動車の競合はどの企業だと思われますか?」この質問に対して、多くの方はHonda、日産自動車、マツダなどの自動車メーカーを思い浮かべることでしょう。

 では角度を変えて、自動車を「人の移動手段」として見た場合はどうでしょうか。新幹線や飛行機、船舶なども競合となります。また今後の自動運転化などを見据えた場合、自動車のなかで過ごす「可処分時間をどう消費するか」という観点で、音楽や読書、ゲームコンテンツや睡眠を促すグッズを提供する企業も競合と捉えることができます。

 「競合分析」といっても、何に軸足を置くかで見方はまったく異なるのです。

 フレームワークには目的に応じた使うべきタイミングがあります。目的に応じて最適なフレームワークを選び、組み合わせることで、角度を変えて考えることができ、解決すべき本当の顧客課題や、見えてこなかったライバル像など新たな気付きが生まれます。

 次のページからは、私がよく行う仮説検証の方法を紹介しますので、フレームワークの特性などを確認してみてください。

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この記事の著者

今井 雄大(イマイ ユウダイ)

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