未来のオフィスは、嗅覚・味覚・触覚が価値になる
入山:文化や人々のネットワークが生み出される「社交」が重要だというお話、その通りですね。実は、コロナ禍になってからとある大手不動産ディベロッパーの方が「都市の価値」が消失するかもしれないと相談に来ました。
その時に私が伝えたことも今のお話に近く、五感を大切にすることを勧めたんです。バーチャルの世界で今後デジタルコミュニケーションが進むでしょうが、当面は視覚と聴覚しか置き換えられず、味覚・触覚・嗅覚はリアルな場所でしか感じられません。都市の中に五感全体を研ぎ澄ますような場所を作ることが重要で、今後はオフィスの役割もそうなってくるでしょう、と伝えました。これから人が集まる意味は、そんなことにあると考えています。