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経営変革の「思想」と「実装」

木村屋總本店社長に聞く「組織の慢性疾患」──外科手術後に気づいた、成功体験を捨てずに紐解くことの意味

第2回ゲスト:株式会社木村屋総本店 代表取締役社長 木村 光伯氏【前編】

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企業変革とは、組織のメンバーが自発性を持てるようにすること

宇田川元一
埼玉大学経済経営系大学院 准教授 宇田川 元一氏

宇田川:「企業変革」というと、一般的には経営危機のような急性期に行われることだと捉えられています。その場合は、木村さんがおっしゃった「外科的手術」がある程度うまくいくんです。要するに、出血を止めてまともに回るようにしましょう、ということですね。

 ですが本来的な企業変革というのは、慢性期の状態のときに必要なものだと思うんです。落ちたものを回復するのではなく、落ちないようにするのが企業変革だと。というのも、V字回復のための変革で業績は回復しますが、企業自体を変えるということにはなりません。例えばメディアなどで話題になる企業のV字回復は、その経営者頼みになってしまうという副次的な影響が出て、自分たちでこの会社を良くしたんだという感覚、自発性が持てなくなるのではないでしょうか。私が大事だと思う企業変革は、組織のメンバーが自発性を持てるように変えていくということです。メンバーたちが「自分がやっているんだ」という手応えを感じられる状態になっていくということが、企業変革なのではないかと。

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やつづかえり(ヤツヅカエリ)

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