川崎重工業は、三宮本通商店街振興組合、三宮センターサウスまちおこし会、兵庫県立大学、神戸女子大学、神戸市、ALTEMYと協働で、同社が開発したアプリケーション「Real D You(以下、リアデュー)」を活用した神戸三宮の地域活性化実証事業に合意した。
同実証では、三宮本通商店街とセンターサウス通りにおいて、人や地域をつなげて商店街の賑わいを創出し、持続可能な街づくりを推進。川崎重工業は、社内制度であるビジネスアイディアチャレンジ制度で採択されたリアデュー事業のPoC(概念実証)として、イベント企画支援やアプリケーション開発を担当し、街路や店舗などリアルな街と、来街者や商店街関係者の行動を、リアデューを用いてデジタルでつなぎ、賑わいや来街目的にどのような影響があるか検証するという。
また、来街者がリアデューを利用して街を歩き、店舗を利用し、街の情報をタイムリーに発信することを促すため、各種イベントを実施しながら、来街者の増加や商店街で働く人の働きがいの向上を図るとしている。
なお、同実証は経済産業省・中小企業庁「がんばろう!商店街事業」制度と神戸市「地域商業活性化支援事業」制度を活用し、三宮本通商店街を主体とした産官学連携で取り組むと述べている。
同実証で使用するリアデューは、川崎重工業が車両事業で培った公共空間認識から着想し、開発したアプリケーション。人の位置情報(オフライン)とスマホ内の仮想空間の位置情報(オンライン)が融合した情報発信手段で、同じ場所に偶然居合わせた人が、公共空間のマナーを乱さずアプリケーション上でコミュニケーションできるという。また、地域とそこに集まる人をデジタル技術でつなぐことによって、街に来ることでしか得られない価値を創出するとしている。
なお、アプリケーションへの位置情報の提供には、同社が開発しサービスを展開している、屋内位置測位サービス「iPNT-KTM」の技術を活用。今後は、屋内位置情報のインフラ領域ビジネス「iPNT-KTM」とアプリケーション領域ビジネス「リアデュー」の相乗効果によって事業を拡大していくとともに、全国に存在する商店街を中心に、地域活性化や働きがいの向上に不可欠なアプリケーションとしてリアデューを活用し、地域社会における社会課題を解決していくと述べている。