マイクロソフトは11月14日(米国ワシントン州レドモンド現地時間)、新たなプラットフォーム「Microsoft Supply Chain Platform」を発表した。
同プラットフォームは、マイクロソフトのAI、コラボレーション、ローコード開発、セキュリティ、SaaSアプリケーションの優位性を同一プラットフォーム上で実現し、企業がオープンなアプローチで、サプライチェーンのデータ資産への投資効果を最大化できるよう支援するとしている。
また、同プラットフォームの一部として、サプライチェーンの可視化と変革のためのコマンドセンター「Microsoft Supply Chain Center」のプレビュー版も発表。Supply Chain Centerは、組織のサプライチェーンデータやアプリケーションとネイティブに連携できるように設計されており、コラボレーション、需給に関する洞察、注文管理などの機能が組み込まれているという。
特徴は以下のとおり。
Microsoft Supply Chain Platform
Azure、Dynamics 365、Microsoft Teams、Power Platformを組み合わせて提供することで、ユーザーが自社のサプライチェーンのニーズに応じた機能を開発したり、独自に選択したりできるよう支援する。
ユーザーは、Dataverseにより何千ものコネクターを作成してサプライチェーン全体を可視化し、Power Platformのローコードソリューションによりカスタムワークフローを開発して、Teamsにより社内外で安全にコラボレーションを行うことができるようになる。
また、サプライチェーンの炭素排出量を最小限に抑えることにも寄与するという。
Microsoft Supply Chain Center
Supply Chain Platformの中核となる構成要素が、Microsoft Supply Chain Center(現在は米国でプレビュー版を公開中)だと述べている。
Dynamics 365、SAPやOracleなどの他のERPプロバイダー、スタンドアロンのサプライチェーンシステムなど、既存のインフラストラクチャにおけるサプライチェーンシステム全体のデータを調和するためのコマンドセンター体験を、現場担当者に提供するとしている。
Supply Chain CenterのData Managerは、データの取り込みとオーケストレーションを実行し、サプライチェーン全体に可視性を提供。実行システムにおける適切なアクションを促進するという。プレビュー期間中は、ローンチパートナーであるC.H. Robinson、FedEx、FourKites、OverhaulがSupply Chain Center内でネイティブの体験を提供する。
また、Dynamics 365 Supply Chain Managementのユーザーは、Supply Chain Centerへのアクセスを自動的に得られる。加えてSupply Chain Centerには、供給と受注処理を横断したサプライチェーンの課題に対処するためのモジュールも組み込まれている。
需給インサイトモジュール
Azure AIモデルを活用したサプライインテリジェンスにより、上流の供給制約と不足を予測。企業は、サプライチェーンネットワークのデータを使ってシミュレーションを行い、在庫切れ、過剰在庫、発注ミスなどを予測できる。また、外部イベントに関するニュースアラートを Supply Chain Centerで提供するスマートニュースインサイトと組み合わせることで、サプライチェーンの現場担当者は、現実の出来事に関する情報と製品需要に関する過去の洞察を利用して、意思決定や計画を行うことができる。
オーダー管理モジュール
企業はフルフィルメントを調整し、リアルタイムのオムニチャネル在庫データ、AIや機械学習を利用したルールベースのシステムによって自動化できるようになる。また、受注、配送、サードパーティロジスティクスサービスに特化したトップクラスのテクノロジパートナーに対応する組み込み済みコネクターによって機能を拡張し、将来の注文量増加と複雑なフルフィルメントに迅速に対応できるようになる。Dynamics 365 Intelligent Order Managementの既存ユーザーは、提供開始と同時に自動的にSupply Chain Centerとオーダー管理モジュールにアクセスできる。
組み込み済みのTeamsとの統合機能
ユーザーは外部のサプライヤーとリアルタイムに連携し、供給制約の緩和、輸送に関する問題判別、変更に伴う上流と下流への影響に関するコミュニケーションが行えるようになる。
パートナー モジュール
ユーザーは、Overhaulの貨物可視化などの特定ソリューションを体験に取り込むことができる。すべてがDataverse環境内で実行されるため、どのモジュールを使用していてもデータは一貫しているという。これにより、データを何度も切り貼りしたり、どのレポートが一番新しい情報なのかを調整したりする必要がなくなる。