アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWS ジャパン)は、データを活用する日本の組織は平均8.5%の年間収益増を見込める可能性を示す、調査レポート「Demystifying Data 2022 - データ活用の最新動向」を公開した。
AWS が Deloitte Access Economics に作成を委託した同レポートは、日本の組織の管理職511人を対象に調査を実施。データ成熟度(組織が生成したデータをどの程度、利活用しているか)を、以下の5段階で評価している。
- ベーシック(基礎)
- 初級(データ戦略が不在または限定的で、データを効果的に取得または分析していない)
- 中級(データ戦略を持ちつつあり、データをその都度の目的のために分析している)
- 上級
- マスター(熟練/組織全体にわたるデータ戦略を掲げ、意思決定にデータ分析を頻繁に組み入れている)
調査の結果、日本の調査対象企業の半数近く(46%)が、効果的にデータを取得し分析することで得られるメリットとして「生産性の向上」を挙げており、次いで「リスク軽減」(39%)、「営業費用の削減」(35%)となった。しかし、デジタル変革が進む中でデータ活用の重要性が高まっているにもかかわらず、日本の組織の77%がデータ活用の成熟度において「ベーシック」または「初級」の段階にとどまっていることも明らかになったという。
データ成熟度が「上級」または「熟練」に達している企業の割合が最も高い業種は、「情報・メディア・通信業」(27%)で、次いで「ヘルスケア・社会福祉」(20%)、「金融・保険」(19%)となった。反対に、データ成熟度が「上級」または「熟練」に達している企業の割合が最も低い業種は、「卸売業・製造業」(10%未満)であったとしている。
日本の組織が、データとその分析を利用する際の課題として最も多く挙げたのは「予算不足」(41%)で、回答者のほぼ4分の1(24%)が「データ収集やアナリティクスツール、ソフトウェアへの投資に決まった予算を持っていない」と回答。その他の課題としては、「データ品質の低さ」(37%)、「人材不足」(37%)などが挙げられた。
また、日本では3分の1以上の組織(37%)が、データとその分析能力を高める際の課題として「スキルを有する人材不足」を挙げている。調査対象企業がデータ成熟度を高める方法として最も挙げたのは、「既存の従業員のスキルアップを通じてデータとその分析能力を高めたい」(35%)で、次いで「人材を雇用することで、スキルを獲得したい」(30%)となったとしている。