商船三井とエア・ウォーターは、家畜糞尿由来の液化バイオメタン(Liquefied Bio Methane)(以下、LBM)のLNG燃料船での試験利用に向けた共同検討に関する覚書を締結した。
同共同検討では、北海道十勝地方で家畜糞尿から製造するLBMを、商船三井グループの内航LNG燃料船で2023年度前半に使用することを目指し、両社で船陸双方の既存設備で問題なく輸送・供給・使用できることを確認するという。
LNG燃料は、従来の燃料油に比べて二酸化炭素(CO2)の排出量を約25%削減する効果が見込まれ、カーボンニュートラルなエネルギーであるLBMを一部使用する事でCO2削減効果が望めるという。また、LBM・LNGともに主成分はメタンであり、輸送や消費に関わる既存のLNGサプライチェーンを活用できるため、船舶運航における脱炭素化に向けた有効な手段となり得るとしている。
商船三井は、「クリーン代替燃料の導入」戦略として、アンモニアや水素燃料の導入を検討。一方で、早期の低炭素化に向けては、LNG燃料船の導入が有効であるため、LNG燃料を推進するとともに、バイオメタンや合成メタンの早期利用開始を目指した取り組みを進めている。
エア・ウォーターでは、脱炭素ソリューションや持続可能な地域循環型のエネルギー供給モデルの構築に取り組んでおり、2022年10月には、家畜糞尿由来の未利用バイオガスを有効活用したLNG代替燃料であるLBMの製造工場を稼働させ、食品工場やLNGトラックへの燃料供給を進めているという。
両社は今後、LBMの船舶燃料利用に向け、互いの知見を生かし、海上輸送の低・脱炭素化に貢献するとしている。